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柳澤 雅之

やなぎさわ まさゆき
柳澤 雅之  YANAGISAWA Masayuki
地域研究統合情報センター・准教授

[2010年5月7日更新]

専門分野

農業生態学、ベトナム地域研究

研究内容

 農業生態学的な関心を基礎としながら、関連する分野の方法論もお借りしつつ、東南アジアのとくに大陸部で農村社会の変容や環境と開発の関係について研究を行っています。
 現在は、おもに、ベトナムの2ヵ所をフィールドとして研究を継続しています。ひとつは、紅河デルタの1村落を対象にして、合作社の役割の歴史的変遷を調べています。社会主義時代に形成された合作社が、村落内のさまざまな社会組織の中で形成・改変されてきた過程を論じ、単に社会主義が「良かった」「悪かった」と断じるのではなく、村落の歴史に中に社会主義時代の経験を位置づけようと試みています。
 もうひとつは、ベトナム西北山地の山村を事例として、20世紀後半以降の土地利用の変化に関する研究を進めています。一般に、この時代の東南アジアは、森林面積が急激に減少したことで知られています。変化の背景には、急激な人口増加や民族の移動、政策、戦争、商品経済の浸透など、さまざまな要因が絡み合っています。それらを、まずは村落レベルで解きほぐし、やがては、東南アジア大陸山地部全体の変化のメカニズムについて考えたいと思っています。

略歴

京都大学大学院農学研究科熱帯農学専攻博士課程修了、京都大学東南アジア研究センター助手、同助教授を経て、2006年4月から現職。

主要業績

2012. 「自然科学分野の地域研究-地域情報の限定性を克服するために-」『地域研究』第12号第2巻:pp.116-130 昭和堂
2009. 「東南アジア生態史」『東南アジア史研究の展開』東南アジア学会(監修)東南アジア史学会40周年記念事業委員会(編集)pp.156-171.東京 : 山川出版社.
2006. 『京大式フィールドワーク入門』京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・東南アジア研究所編, NTT出版.
2004. “Development process of cash crops in the Northern mountains region of Vietnam: A case study in Moc chau District of Son la Province, Vietnam”, In Ecological destruction, health, and development: Advancing Asian paradigm, edited by Furukawa, H.; Nishibuchi, M.; Kono, Y.; and Kaida, Y. pp.467-479. Kyoto: Kyoto University Press.
2004. 「ベトナム紅河デルタにおける農業生産システムの変化と合作社の役割」『東アジア農村の兼業化―その持続性への展望』年報村落社会研究40: 247-268

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