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雑誌記事データベース

マレー・インドネシア語雑誌記事横断検索システム

マレー・インドネシア語雑誌記事横断検索システム

東南アジアのマレー・インドネシア語雑誌は、発行地や使用文字の違いを超えて相互に参照しあい、読者もまた身近な雑誌の投稿欄を通じて意見を表明しあってきた。個々の雑誌は短命でも、多種多様な雑誌が全体で一 つの「公共の場」を形作ってきたと言える。イスラム教圏東南アジアにおいて情報や意見がどのように流通していたかを把握することは、歴史研究だけでなく、現在起こりつつある諸問題を理解するうえでも極めて意義が大きい。しかし、発行地が複数の国や地域に分かれ、体系的に収集・所蔵されていないことなどから、この「公共の場」の全体像を把握する試みは十分になされてこなかった。
この雑誌記事データベースは、発行地、発行時期、使用文字の違いを横断して東南アジアのマレー・インドネシア語雑誌の記事を検索するデータベースの一部をなすものである。他の雑誌記事データベースと接合することにより、原資料をそれぞれの個人や機関のもとで所蔵したまま、インターネット上での横断検索や閲覧を可能とする。
これまでに、横断検索システム構築の基礎となるデータの一つとして『カラム』の全記事のPDF化およびローマ字による記事見出しの作成を行い、2007年度にデータベースを公開した。また、写真を主とする週刊誌『ワクトゥ』の創刊号から1958年2月号までの記事のPDF化および記事見出しの作成を行い、データベースを2008年度から順次公開している。現在、『カラム』と『ワクトゥ』をもとに、時代や地域による綴りの差異を横断して検索可能なシステムを構築中。

『カラム』雑誌記事データベース(Qalam Article Database)

 1950 年から1969 年までシンガポール(後にマレーシア)で刊行されていたイスラム系総合月刊誌『カラム』(マレー語、ジャウィ文字)の全記事の書誌およびPDF 画像データベース。同誌は、シンガポールを拠点とし、インドネシアやマレーシア(マラヤ)のムスリムを主な対象に、留学生を通じた中東の改革思想の紹介、インドネシアやマレーシアのムスリム知識人による論説、世界各地のムスリム社会の動向などを掲載した。また、主筆のアフマド・ルトフィは同誌の論説などで民族主義的な政権や体制寄りの宗教指導者を批判し、国境を越えた東南アジアのムスリム社会の構築を唱えた。1956 年にシンガポールでムスリム同胞団が結成されると、同誌は同団体の事実上の機関誌となった。政権党に批判的だったこともあって現地の文書館や図書館で体系的に収集・所蔵されていなかった同誌の記事を収集し、統合したもの。

『ワクトゥ』雑誌記事データベース(Waktu Article Database)

『ワクトゥ』(Waktoe/Waktu、1947~1958?年、メダン発行、インドネシア語、ローマ字使用)の創刊号から1958年2月分までの全記事をPDF化し、ローマ字による記事索引システムを備えたデータベース。
『ワクトゥ』は、インドネシアのメダンで発行され、写真を多く使って国内外の時事を紹介した写真週刊誌。当初のタイトルは『Waktoe』だったが、後に『Waktu』にかわった。

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