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その他データベース

『三印法典』データベース

 地域研では、京都大学東南アジア研究所が構築してきた以下のデータベースを同研究所との共同で開発・更新を進めている。

 『三印法典』は、現ラタナコーシン(バンコク)王朝ラーマⅠ世(1782-1809)の勅命により、アユタヤ滅亡時に残された諸法典の写本に基づき1805年に編纂された。14世紀中葉から19世紀初頭までの法令・布告集成でその名称は当時の行政区分に対応する3省の官印が押捺されていることに由来にする。20世紀初頭に近代法が整備される以前のタイ社会を知る基礎史料。

 『三印法典』の研究は、石井米雄・京都大学名誉教授が当時在職した京都大学東南アジア研究センターにおいて1970年代より開始し、クルサパー版『三印法典』をテキストとした『三印法典総辞用例索引(Datchani khonkham nai Kotmai Tra Samduang [Computer Concordance of The Law of Three Seals])』(5分冊・全3850頁・239,576用例)に結実した。同書は『三印法典』自体のテキスト研究を大きく推進するとともに、アユタヤ朝後期、ラタナコーシン朝初期の法制史のみならず、社会経済史研究に貢献した。

 2005年に元テキストを厳密に校訂したタマサート大学本『三印法典』(全3冊)が公刊されたことを受けて、総辞用例索引の修正と更新をふくめたテキスト全体のデータベース化を進めている。

 現在、タイ語三印法典データベース(暫定版)を公開している。

※本データベースは独立行政法人日本学術振興会、平成19年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費・データベース)の助成によるものです。

『貝葉文書にみる民族間関係』データベース

 地域研では、京都大学東南アジア研究所が構築してきたデータベースを同研究所との共同で開発・更新を進めている。

 タイ北部のラーンナータイを中心にした貝葉文書は、今日のタイ国とラオス人民民主共和国の仏教寺院におよそ368,000束(約100枚/束)が確認されている。「タム文字写本文化圏」と呼びうるタイ東北部、ラオス、ミャンマー、中国雲南省南部に分布する地域史料である。その史料的価値は1970年代になって海外の研究者に知られるようになった。本データベースは、これらのうち民族間関係や宗教、生態環境および統治形態について重要な記述をふくむおよそ30点のテキストを現代タイ語化して作成されている。タイ国ラーチャパット・チェンマイ大学のアルンラット・ウィチェンキオ講師が、京都大学東南アジア研究所(当時、東南アジア研究センター)との共同研究「貝葉テキストにみる地域・民族間関係の動態」として開始したもので、2002年よりデータベース化に着手し今日まで継続している。

タイのふたつのデータベースがもつ意義
  Bのデータベースが扱う貝葉文書が分布する地域には、Aの『三印法典』と異なる伝統法の体系が広まっていたことが知られるが、同時に両者には共通する語彙や表現が含まれている。近い将来、データベースとして『三印法典』の語彙用例に貝葉本群の語彙用例を重層的に検索することが実現されれば、近代的な国民国家政体をなす以前のタイ国と隣接する地域の仏教の伝播、仏教と政治権力の関係、王室を中心に継承されてきたヒンドゥー儀典をはじめ、民族間関係、経済社会活動についての歴史的様態を明らかにするきわめて重要な基礎資料となる。また、同地域の社会文化史を研究する国内外の学生や研究者のみならず、広く東洋史の研究に大きな貢献をなす。その意義は以下のようなものである。

(1)国内外のタイ史、ラオス・ミャンマー・中国雲南などの歴史、経済史、社会史、仏教史研究での利用。
(2)タイ国を中心に、インドから東アジアにいたる東洋史、特に仏教文化・政治の研究者の利用。
(3)東南アジアの歴史、文化、法制、社会史研究を目指す学生、院生の利用。タイ国および東南アジアの歴史、法制研究はもとより地域研究、社会史研究を目指す学部生、大学院生にとって重要な基礎資料となる。
(4)タイ国内の初等・中等教育での利用。両者のデータベースは、ともに内外のタイ研究者のみならず、今日使われている生態や民族、社会と文化に関する用語が、その用例とともにかつてどのような文脈でいかなる意味を与えられていたのかを示す「タイ古語辞典」としての機能も果たす。タイ国内の地方に至るまでの初等・中等教育での重要な社会・歴史資料として、Webベースによる広範な利用が想定される。
(5)サンスクリット語、パーリ語等の言語研究者の利用。特にパーリ語の記述が多く、言語やその伝播での東南アジア、東アジア諸語の研究者による利用。
(6)タイ語統合データベースのシステム実現の範例。タイ語データベースの統合検索を実現する構築事例はない。本文テキスト・データベースとタイ語文献との統合検索も可能になり、タイ語による資源共有及び資料間のリンクから、タイ史研究者の多角的利用が期待できる。

ポスト社会主義諸国選挙・政党データベース

ヨーロッパの旧社会主義国(中東欧.旧ソ連諸国のうち18 カ国)を対象に、1990 年の選挙の自由化以降の国会選挙・大統領選挙・欧州議会選挙の結果、歴代内閣、選挙制度、各政党の変遷、を数値等で表現して、キーワード検索や項目間の比較を可能にしたデータベース。

トルキスタン集成データベース

  「トルキスタン集成」(Туркестанский сборник)とは、19 世紀後半から20 世紀初頭にかけて収集されたロシア帝国支配下の中央アジアに関する文献集成(全594 巻)である。初代トルキスタン総督K.P. カウフマンにより、征服間もない中央アジアをロシア人がよりよく知るための百科事典として構想され、編纂が開始された。単行本、雑誌・新聞の論文・記事、地図など多様な形態の資料を含み、所収書誌は1 万点以上にのぼる。原本はウズベキスタンのA. ナヴァーイー記念国立図書館所蔵。地域研はそのデジタル複製版を所蔵しており、本データベースでは「トルキスタン集成」所収資料の書誌検索と資料画像の閲覧ができる(画像閲覧は学内限定公開)。書誌情報整備が継続中であり、本データベースは試行版である。現在のデータ件数は8,723。

NEARDB:『北京特別市公署市政公報』目次検索データベース(1938~1944年)

 戦時期における北京特別市公署(のち市政府)が発 行した『市政公報』(1938 年1 月~ 1944 年9 月)の記事件名データベース。このデータベースを手がかりとして、戦時下の都市行政の実態、北京における日本の影響、傀儡政権といわれる政治主体の性格および特徴などを浮き彫りにすることが可能。 

NEARDB:上海租界工部局警務処文書件名索引データベース(1894~1949年)

 上上海租界工部局警務処の原文書は、1949 年に米国CIA の管轄下に移管され、1980 年代に米国国立公文書館CIA 文書として公開された(Record Group263)。この文書群は、上海共同租界でイギリスが中心なって運営した租界工部局に関する文書が大半を占めている。工部局の治安管理を担っていたのは警務処であり、なかでも特別股(Special Branch)が上海の対外交易や商業活動に秩序をを維持させる中枢機関だった。この文書は、1894 年から1945 年までの文書を含むが、主要なものは1929 年から1945 年まで特別股が作成・収集したもので、デモ、ストライキ、労働紛争、社会暴動、国内外の破壊活動、共同租界と中華民国市政府との間の紛争に関する情報が含まれている。件名には日本語訳をつけたほか、適宜原文を参照して文書の年月日を補った。

NEARDB:スタンフォード大学フーヴァー研究所中国関係アーカイブ件名索引データベース

 スタンフォード大学フーヴァー研究所が所蔵する約4500 点の中国関係のアーカイブの件名データベース。アーカイブの特徴は、◆著名な中国人の個人アーカイブ ◆中国政府の外国人顧問 ◆中国研究者◆日中戦争/太平洋戦争の将兵 ◆米国の情報機関 ◆中国への救済復興支援組織◆宣教師と布教活動 ◆亡命ロシア人コレクション ◆第二次世界大戦直後の状況◆各種新聞のスクラップ、など。。

NEARDB:モンゴル(人民共和)国科学アカデミー刊行人文社会系学術定期刊行物記事索引データベース

モンゴル国(旧モンゴル人民共和国)科学アカデミーの人文科学系の諸研究所が刊行している定期刊行物・逐次刊行物のうち、発刊から1980 年代末までの分を対象に、これらに収められたモノグラフおよび論文の書誌情報をデータベース化したものである。史料、資料集、研究論文の件名が多く含まれており、モンゴル人文学系研究の基本的文献といえる。日本語、モンゴル語での検索が可能である。 なお、これら定期刊行物・逐次刊行物は現在も継続して刊行されているが、とくに近十年分のものについては未収集のため、データを搭載していない。原資料の所蔵先は、島根県立大学北東アジア地域研究センターである

NEARDB:20世紀年表データベース(1918~1952年)

 おもに20 世紀前半(1918 ~ 1952 年) の情勢について、「政治」「経済」「社会」「文化」「備考」に区分した年表にもとづいて作成したデータベースである。日本語キーワードでの検索が可能。政治、経済などにとどまらず、社会、文化、科学技術にかかわる多様な事項の入力に重点を置いたことが特徴である。現在のところ、1918 年- 1952 年分を作成済みで、20 世紀全体の年表データとして完成させることを目標としている。

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