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功徳の観念と積徳行に関する地域間比較研究(h23~h24)

過去の研究プロジェクト

功徳の観念と積徳行に関する地域間比較研究(h23~h24)

個別共同研究ユニット
代表: 兼重努(滋賀医科大学医学部・准教授)
共同研究員: 加藤真理子、黄蘊(京都大学大学院文学研究科・GCOE研究員)、小島敬裕(京都大学地域研究統合情報センター・研究員)、小林知(京都大学東南アジア研究所・助教)、志賀市子(茨城キリスト教大学文学部・教授)、長谷川清(文教大学文学部・教授)、林行夫(京都大学地域研究統合情報センター・教授)、丸山宏(筑波大学人文社会科学研究科・教授)、村上忠良(大阪大学言語文化研究科・准教授)、吉野晃(東京学芸大学教育学部・教授)
期間: 平成23年4月~平成25年3月(2年間)
目的:  ヒンドゥー教の教義における梵語のpunyaやkusala、仏教におけるパーリ語のpunnaやkusalaに由来する功徳の観念、および功徳を積むという宗教実践=積徳行は現在においても、東南アジア大陸部と東アジア諸国において広く存在している。
 功徳の観念と積徳行は地域により、あるいは民族により多様性があると想定される。功徳の観念と積徳行は両地域において、濃淡の差はあるものの、人びとの日常生活の中に埋め込まれており、功徳の観念と積徳行のありかたに着目することにより、各地域の社会と文化の特徴の一端を捉えることができると予想される。
 本研究では功徳の観念と積徳行について、後者に重きをおいて検討する。本研究の目的は以下の三点である。
① 積徳行に仏教僧が深く関与している東南アジア大陸部の上座仏教文化圏を対象に、その内部の地域社会における積徳行の、共通性にもとづく多様性について明らかにする。
② それと同時に、東アジアの大乗仏教文化圏内の地域社会に存在する、仏教僧が関与しない積徳行についてその全体像をできるだけ把握する。
③ さらに両文化圏(地域)における積徳行のありかたの相違を詳しく比較することにより、二つの地域の社会と文化の特徴を明らかにする。
研究実施状況: -平成23年度-
 平成23年度は3回の研究会を実施した。
●第一回研究会(2011年7月開催)では、顔合わせを行い、功徳の観念と積徳行に関する、①これまでの研究の概要、②今後の研究計画、③本研究会での発表予定演題について8名の出席者全員が簡単に紹介した。
●第二回研究会(2012年1月開催)ではパーリ仏典における功徳と積徳行に関する記述内容について、メンバーが知識を共有するために、藤本晃氏をお招きし、「功徳回向のしくみ-心をやりとりできるのか?-」というタイトルで、パーリ仏典文献研究の最新の成果について講演いただいた。
●第三回研究会(2012年3月開催)では東南アジア大陸部上座仏教社会における功徳と積徳行の共通性と多様性についての事例の比較検討の試みの第一弾として、西南中国の徳宏と西双版シーサンパン納ナのタイ族社会、そしてタイ王国北部のメーホーソンのシャン人社会の事例について、三名の人類学者が報告した。発表タイトルは「中国雲南省徳宏州における功徳の観念と積徳行」(小島)、「仏教復興と功徳儀礼-1980年代・西双版納、タイ・ルー村落社会のターン・タム儀礼を中心に」(長谷川)、「タイの上座仏教徒の実践から考える功徳―北部のシャンの事例を中心にー」(村上)である。
-平成24年度-
(1)平成24年度は3回の共同研究会を開催し、11本の口頭発表と議論を行った。
*上座仏教文化圏に関する発表
林行夫 「<悪行>からみる<功徳>の社会的展開」
飯國有佳子「せめぎあう理想と現実:上ビルマ村落における積徳行としてのカティナ儀礼」
小林知 「カンボジア農村における積徳行の多様性」
加藤眞理子「東北タイのレー説法」
片岡樹 「タイ山地民ラフの宗教観における功徳の概念」
黄 蘊 「マレーシアの上座仏教信者の仏教実践と積徳行」
*大乗仏教文化圏に関する発表
小西賢吾 「ゲワ・ソナム・ヨンテン―チベット、ボン教徒の実践における「功徳」の所在」兼重努 「西南中国・トン族の功徳の観念と積徳行」
志賀市子 「功過格にみる中国の積徳行―広東省潮汕地域の善堂における実践とあわせて」
丸山宏 「道教儀礼研究から見た功徳について」 
吉野晃 「タイ北部、ユーミエンの〈功徳〉:〈功徳〉概念と〈功徳〉のための建造物について」        
(2)平成23-24年度の共同研究会の成果を、兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』京都大学CIAS(地域研究統合情報センター)ディスカッションペーパーNo.33(序論+12章)として3月15日に刊行した。
研究成果の概要: -平成23年度-
 藤本晃はパーリ佛教経典の記述にみられる功徳と回向の仏教教学的な原理構造に注目し①釈尊は功徳回向に関する原理について明確に述べていない、②人々は原理を理解していないにも関わらず、功徳回向を実践している。それはその実践によって自己充実感が得られるからである、と指摘した。
東南アジア大陸部の上座仏教社会における積徳行の実践の諸相について以下のことが明らかになった。
 小島敬裕は、中国雲南省における徳宏タイ族の上座仏教は、上座仏教徒社会の他地域と共通する点を多く持つが、積徳行が在家信者の主導によって営まれていることに特色があり、徳宏では僧侶を主体とする積徳行は近年になって起こりつつある現象に過ぎないことを指摘した。この指摘は、積徳行において僧侶が重要な役割を果たすとされてきた仏教徒社会研究の「常識」に対する再検討を迫るものである。
 長谷川清は、仏教復興の途上にあった1980年代の西双版納のタイ族の村落における、ヴェッサンタラ・ジャータカを題材にした仏画を寺院に寄進するターン・タム儀礼について報告した。長谷川は、〈功徳〉と〈積徳行〉に関する共通性と多様性を明らかにする上で、北タイやラオス、シャン州で行われている同種の儀礼との比較をすることが有意義であることを指摘した。
 村上忠良はタイ国北部のシャンの仏教儀礼に見られる功徳の観念について、①喜捨した物財に比例・比定される功徳と、②相互扶助や篤信の行為の結果として共有される功徳という2つの理念的な功徳理解が仏教徒の積徳行に共存しており、仏教儀礼(積徳行)内での立場、参加形態によって強調する功徳の観念が異なっていること、そして仏教儀礼(積徳行)の場においては2つの功徳観念の「せめぎあい」が生じていることを明らかにした。この2つの功徳観念が「功徳の観念と積徳行」の比較研究において共通考察点の一つとなりうることもあわせて指摘した。
-平成24年度-
(1)上座仏教徒社会の間における比較の指標として5点が提示された。①積徳儀礼の実施時期、進行過程や担い手、儀礼空間における守護霊や神々の配置、儀礼的パフォーマンス、寄進物とその意味づけ、②仏教儀礼における個別性と共同性、③各地に伝わるジャータカ物語の説法形式の成立と発展過程、④仏教徒の「行い」そのもの、⑤ローカルな視点から見た全体的な宗教システム。
(2)中国の大乗仏教徒社会の事例として、①漢族社会の「功過格」に見られる積徳行の理念と善堂による実践、②ボン教を背景としたチベット族独自の功徳観、③交通インフラ整備を重視するトン族の積徳行、④道教・法教の影響を受けたヤオ族独自の功徳観、の4つが示された。
(3)中国に広く流布する功過格に見られる積徳行の理念と、東南アジアの上座仏教社会における積徳行の理念との間には、①悪行によって功徳が相殺される、②功徳が数量的に測られる場合がある、③宗教職能者の媒介を必ずしも必要としない、など共通点があることがわかった。
(4)近接する非仏教徒社会との比較によって、①功徳と祝福の二分法という考え方は、東南アジア山地社会の実態に即していない、②タイ山地社会のユーミエン族においては輪廻観念の欠如のため、現世利益の要因として功徳が強調されている、ことが明らかになった。
 仏教徒社会における功徳の観念と積徳行の地域間比較研究は、今後、比較の対象を他の宗教にひろげてゆくことにより、①我々人類がもつ善行/悪行に対する観念、ならびに宗教的因果観や救済観、②善行をとおして生成される神と人、人と人、生者と死者の間のつながり、の諸相について理解を深めるうえでの礎となりうるであろう。
公表実績: -平成23年度-
●著書
1. 飯國有佳子 『現代ビルマにおける宗教的実践とジェンダー』(ISBN978-4-89489-163-0)風響社 2011年
2.黄蘊、『東南アジアの華人教団と扶鸞信仰――徳教の展開とネットワーク化』、東京:風響社、2011年12月28日、全351頁。
3. 小島 敬裕『中国・ミャンマー国境地域の仏教実践—徳宏タイ族の上座仏教と地域社会 ―徳宏タイ族の上座仏教と地域社会』(ブックレット・アジアを学ぼう)風響社、2012年02月
4.Hayashi, Yukio, Phutthasatsana choeng patibat khong thai isan: Satsnanai khwampen phumiphak(Phinit Laphathananon訳)、バンコク、チュラーロンコーン大学出版局(478頁)、2011年9月
4(2)-4
5.藤本 晃『日本人なら知っておきたい お葬式の才覚』(新人物往来社、2011年5月) 6.藤本 晃『ブッダの神通力 禅定と六神通と悟りへの道』(サンガ選書4、2011年7月)
●学術論文
1.片岡樹 (2011) 「食人鬼のいる生活―タイ山地民ラフの妖術譚とその周辺―」『社会人類学年報』37:1-25頁
2.黄蘊、「ベトナムのフエ・ミンフオン(明郷)における天后信仰の多面性と動態性」、単著、西村昌也編『周縁の文化交渉学シリーズ――ベトナム・フエ研究最前線』遊文社、2012年3月。267-280頁。
3.黄蘊、「聞き取り班調査報告」西村昌也編『周縁の文化交渉学シリーズ――ベトナム・フエ研究最前線』遊文社、2012年3月。349-354頁。
4. Huang Yun, “Reconstructing religion: An anthropological study on the
development of Dejiao Organization in Contemporary Malaysia”, 関西大学文化交渉学教育研究拠点『東アジア文化交渉研究』第5号、2011年1月。39-51頁
5.小島敬裕.2011.「仏教実践のフィールドワークの現場から」新井一寛・岩谷彩子・葛西賢太編『映像にやどる宗教 宗教をうつす映像』せりか書房,104-106頁.
6.小西賢吾「伝統宗教の『説得力』―東チベット、ボン教復興の現場から」『人環フォーラム』29:56-57頁、2011年9月。 7.小西賢吾「祈りとしての移動」『京都大学地域研究統合情報センター年報』92頁、2011年11月。 8.小西賢吾「改革開放後中国のチベット社会における宗教の復興と存続に関する文化人類学的研究―四川省のボン教僧院を事例に―」京都大学大学院人間・環境学研究科提出学位論文、2012年2月
9.志賀市子 〈先天道嶺南道脈的思想和実践―以広東清遠飛霞洞為例〉,《民俗曲芸》第173期,2011年9月, pp. 23-56.
10.林 行夫「上座仏教徒研究の現状と課題」『パーリ学仏教文化』25号、93-115頁、2011年12月
11.林 行夫「大陸部東南アジア仏教徒社会の寺院マッピング――その経緯と射程」片岡樹編『聖なるもののマッピング――宗教からみた地域像の再構築に向けて』京都大学地域研究統合情報センター・ディスカッションペーパー No.26、7-15頁、2012年3月
12.林 行夫「地域を消費する現代」京都大学地域研究統合情報センター編『地域から読む現代世界』晃洋社、2012年3月
13.丸山宏 「中国湖南省藍山県ヤオ族の度戒儀礼文書に関する若干の考察 -男人用平度陰陽拠を中心に-」堀池信夫(編)『知のユーラシア』明治書院 2011年7月 400-427頁14.村上忠良 「第五章 タイの仏教世界」奈良康明・下田正弘・林行夫(編)2011(1月)『静と動の仏教』(新アジア仏教史4 スリランカ・東南アジア)佼成出版社、211-259頁。
15.吉野晃2011「〈掛三台燈〉の構造と変差:タイ、ラオス、中国湖南省藍山県のユーミエンにおける〈掛燈〉の比較研究」『瑶族文化研究所通訊』第3号(神奈川大学ヤオ族文化研究所) 35-40頁
●学会発表
(1)国内
1.片岡樹(2011) 「東南アジア大陸辺疆山地からみた国家―『山地民研究』によって見えてくるもの、見えなくなるもの―」東南アジア学会第86回研究大会(於東海大学)
2.兼重努 「風水を盗む- 西南中国トン族の事例から-」学際シンポジウム「風水思想と東アジア」、(2011年10月8,9日 於中部大学)
3.黄 蘊、「マレーシアにおける上座仏教の現地化と華人信者」日本文化人類学会第45回研究大会、法政大学、2011年6月12日。
4.小林知.「カンボジア農山漁村における生業とその変容」.「パリ和平協定20周年シンポジウム 開発下のカンボジアはいま:持続的な発展と平和に向けて」(2011年10月15日. 於、東京大学駒場キャンパス 18号館ホール. 主催:東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム (HSP)、カンボジア市民フォーラム、東京大学大学院総合文化研究科グローバル地域研究機構 持続的平和研究センター、後援:日本学術振興会・科学研究費補助金・新学術領域研究「国連の平和活動とビジネス、紛争、人の移動とガバナンスを軸として」(平成21~23年度、研究代表者:佐藤安信)、東京大学寄付講座「難民移民(法学館)」) 5.小林知. 2012. 「修行、公的教育、アジール:現代クメール人の出家行動の動態と多義性」 地域研究コンソーシアム若手研究者ワークショップ「公と私を結ぶ―東南アジアから考える新しい共生のかたち―」(2012年1月8日、於 京都大学稲盛財団記念館大会議室、主催:地域研究コンソーシアム、京都大学東南アジア研究所、京都大学地域研究統合情報センター、共催:東南アジア学会関西例会)
6.小林知. 2011.「カンボジアにおけるサンガの断絶と復古」. 第70回日本宗教学会学術大会(2011年9月3日. 於、関西学院大学) 7.林行夫「上座仏教徒研究の課題と展望」(招待講演)、パーリ学文化学会第25回学術大会、東京大学本郷キャンパス、2011年5月21日
8.吉野晃2011「タイ北部、ユーミエン(ヤオ)の船送り」国際常民文化研究機構第3回国際 シンポジウム「“カラダ”が語る人類文化-形質から文化まで」公開研究会.神奈川大学横浜キャンパス.(口頭発表2011/12/11)
(2)国外
1.Hayashi, Yukio, Mapping Practices of Theravadins, International Workshop on Disaster Heritage and Creative Economy: From Perspective of Area Informatics, CIAS/TDMRC/JICA, 2011年12月21日、インドネシア、Hermes Hotel, Banda Aceh, 2011年12月22日
2.Huang Yun, “The Indigenization of the Theravada Buddhist community in Malaysia and Chinese practitioners”, at the International conference organized by the International Society for the Study of Chinese Overseas (ISSCO), HongKong. 2011.6.20.
3.IIKUNI, Yukako 2011 “Being Loved by a Spirit, Becoming a Spirit Medium: A Study of Some Transitional Aspects of Spirit Mediums Among Urban Spirit Medium Cults in Myanmar”, The 2011 International Conference of ISEAS/PUFS (Pusan University of Foreign Studies, Busan, Korea)4(2)-6
4.Kataoka , Tatsuki (2011) “Religion as Non-religion: The Place of Chinese Temples in Phuket, Southern Thailand.” Paper Presented at the Joint Conference of the Association for Asian Studies and International Convention of Asia Scholars (at Hawaii Convention Center, Honolulu).
5.Kataoka , Tatsuki (2011) “The Concept of Exchange and Reciprocity in the Discourse of Religion among the Lahu in Northern Thailand.” Paper Presented at the International Symposium on “Ethnic Interaction in the Context of Globalization in Southwest China and Its Relationship with Southeast Asia.” (Yunnan University, Kunming, China)
6.Kobayashi ,Satoru. 2011. “Sīmā and Bāramī: A Quest for Regional Formation of Buddhist Worldview”. The paper presented at the XVIth Congress of the International Association of Buddhist Studies, Panel: “Relics of Cambodia”. Taipei, Taiwan. 21st June, 2011. 7.Kobayashi, Satoru. 2011. “Transnational Migration of Buddhist Monks in Mainland Southeast Asia”. The paper presented at CAPAS-CSEAS Workshop for Young Scholars of Southeast Asian Area Studies “EXPLORING FRONTIERS OF SOUTHEAST ASIAN AREA STUDIES: ASIAN PERSPECTIVES”. CAPAS-Academia Sinica, CSEAS-Kyoto University, and JSPS Asian Core Program. Taipei,Taiwan. 9th August, 2011. 8.Kobayashi ,Satoru. 2011. “Seeing Genocide and Reconciliation in a Cambodia village.” The paper presented at Kyoto-NTU-SYSU Joint International Workshop “Plural Coexistence : East Asian Experiences in Comparative and Interdisciplinary Perspectives”. Inamori Memorial Building of Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University. December 17-18, 2011. 9.Kobayashi ,Satoru. 2012. “Discovering a sima in a forest: An Analysis of Cambodian Perceptions of Buddhist Tradition and Practice. The paper presented at the 2012 Annual Conference of Association for Asian Studies, Panel: Simas, Discourses, Practices, Histories. Toronto, March 16, 2012. 10.Murakami,Tadayoshi. 2011. “Buddhism on the Border: Cross-border Migration and Shan Buddhism in Northern Thailand,” Joint Conference of the Association for Asian Studies & International Convention of Asian Scholars, 2 April 2011. (ハワイ・コンベンションセンター、アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル) 11. 志賀市子 〈近代潮汕善堂的興起与大峰祖師信仰〉,山東大学歴史系主催《近代民間組織与社会救済国際学術研討会》、2011年10月29日~30日
-平成24年度-
(1)著書
*単著
①志賀市子 2012『〈神〉と〈鬼〉の間―中国東南部における無縁死者の埋葬と祭祀』東京:風響社
*編著
①片岡樹、永田貴聖 2013 『東南アジアがわかる教科書Vol.1』イー・アイ・シー
②兼重努・林行夫編2013 『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究に向けて)』京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No.33
(2)論文
①飯國有佳子 2012 「上座仏教社会における女性の出家」 立川武蔵(編)『アジアの仏教と神々』法藏館 pp.105-107
②飯國有佳子 2013 「ビルマにおける『功徳の観念』と『積徳行』:カテイン儀礼の事例から」兼重努・林行夫(編)『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper No.33, pp.31-36
③飯國有佳子 2013「職業的霊媒という選択:ビルマ霊媒カルトにおける女性の関与の多様性」『大東文化大学紀要』51:1-19
④Kataoka Tatsuki 2012 “Introduction: De-institutionalizing Religion in Southeast Asia.” Southeast Asian Studies Vol. 1, No. 3: 361-363.
⑤Kataoka Tatsuki 2012 “Religion as Non-religion: The Place of Chinese Temples in Phuket, Southern Thailand.” Southeast Asian Studies Vol. 1, No. 3: 461-485.
⑥片岡樹 2013「先住民か不法入国労働者か?―タイ山地民をめぐる議論が映し出す新たなタイ社会像―」『東南アジア研究』50巻2号: 239-272.
⑦片岡樹 2013「功徳と祝福再考―タイ山地民ラフのオボ概念を中心に―」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』京都大学CIAS(地域研究統合情報センター)ディスカッションペーパー33、55-63頁。
⑧片岡樹 2013「ブンチュム運動とラフ―その予備的考察―」『東南アジア大陸部における宗教の越境現象に関する研究』平成22-平成24年度科学研究費補助金基盤研究(A)研究成果報告書(研究代表者:片岡樹)、187-212頁。
⑨兼重努 2012「風水を盗む : 西南中国トン族の事例から」 (特集 民俗知としての風水;学際シンポジウム風水思想と東アジア 中国 風水と抱護(沖縄と韓国)) Arena (14), 29-38頁
⑩兼重努 2013「序論 功徳の観念と積徳行の地域間比較研究に向けて」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No.33、5-9頁
⑪兼重努 2013「西南中国トン族の功徳の観念と積徳行」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No.33、89-101頁
⑫黄 蘊 2013「マレーシアの上座仏教徒の仏教実践と積徳行」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』,京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper No. 33、64-70頁
⑬Kojima Takahiro 2012 Tai Buddhist Practices in Dehong Prefecture, Yunnan, China. Southeast Asian Studies1-3: 395-430.
⑭小島敬裕 2013「中国雲南省徳宏州における功徳の観念と積徳行」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』,京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No.33、37-45頁.
⑮小西賢吾 2013「チベット、ボン教徒の実践における「功徳」をめぐる概念とその役割」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』京都大学CIAS(地域研究統合情報センター)Discussion Paper Series No.33、71-80頁
⑯小林知 2012 「カンボジア農村における死者儀礼」立川武蔵編『アジアの仏教と神々』京都:法蔵館、129〜147頁
⑰小林知 2013「カンボジア農村における仏教施設の種類と形成過程」 『東南アジア研究』51(1)、ページ数未定(査読審査済み)、京都:東南アジア研究所
⑱志賀市子 2012「道教と現代中国―広東省における地方道教空間の再生と拡大」川口幸大、瀬川昌久編『現代中国の宗教―信仰と社会をめぐる民族誌』京都:昭和堂、46-65頁。
⑲志賀市子 2013「功過格にみる中国の積徳行と善堂における実践」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』,京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No.33、81-88頁。
⑳長谷川清 2013「ヴェッサンタラ本生経と仏教儀礼-西双版納の上座仏教をめぐる地域間比較」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』,京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No.33、46-54頁。
㉑林行夫 2013「悪行と功徳の社会的展開―東南アジア上座仏教徒社会の構図」兼重努・林 行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』,京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No.33、17-23頁
㉒林行夫 2013「寺院マッピング―見えないものを写像する」柳澤雅之編『情報をつむぐ、世界をつかむ―地域情報学で変わる地域研究』,京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No. 30、35-43頁
㉓藤本晃 2012「仏教としての浄土真宗4 どうすれば極楽に往生できますか?」『サンガジャパン』9号、195-230頁(サンガ、2012年4月)。
㉔藤本晃 2012「仏教としての浄土真宗5 往生即成仏は間違い?」『サンガジャパン』10号、240-264頁(サンガ、2012年7月)。
㉕藤本晃 2012「功徳回向と自業自得の法則」「仏教としての浄土真宗5 往生即成仏は間違い?」『サンガジャパン』10号、138-156頁。
㉖藤本晃 2012「仏教としての浄土真宗6 還相回向ってどういうこと?」『サンガジャパン』11号、291-313頁(サンガ、2012年10月)。
㉗藤本晃 2013「仏教としての浄土真宗7 信心とはどういう心でしょうか?」『サンガジャパン』12号、222-248頁(サンガ、2013年1月)。
㉘藤本晃 2013「功徳回向のしくみ―心をやりとりできるのか?―」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』,京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper Series No.33、10-16頁。
㉙丸山宏 2012「ヤオ族度戒儀礼の奏青詞に用いる文書―その校訂と書き下し―」、湖南省文学芸術界聯合会・日本神奈川大学瑶族文化研究所(主辦)『第二届国際瑶族伝統文化研討会-資源と創意-会議論集』神奈川大学瑶族文化研究所 165-202頁 2012年8月
㉚丸山宏 2012「大英図書館所蔵福建漳州海澄県道教科儀手抄本(Or.12693)初探」正一与地方道教儀式研討会報告論文、1-35頁 2012年9月
㉛村上忠良 2013「上座仏教徒の積徳行に関する試論―タイ北部シャンの事例より」、兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』京都大学CIAS(地域研究統合情報センター) Discussion Paper No. 33、24-30頁.
㉜Murakami Tadayoshi 2012 Buddhism on the Border: Shan Buddhism and Transborder Migration in Northern Thailand. Southeast Asian Studies 1(3): 365-393, Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University.
㉝吉野晃 2013「廟と女性シャマン―タイ北部、ユーミエン(ヤオ)の新たな宗教現象に関する調査の中間報告―」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系Ⅱ』64、115-123頁.
㉞吉野晃 2013「ユーミエンの〈功徳〉の作り方覚え書き―〈功徳〉概念をめぐって―」兼重努・林行夫編『功徳の観念と積徳行の地域間比較研究』,京都大学CIAS(地域研究統合情報センター)Discussion Paper Series No.33、102-111頁.
(3)学会(分科会)、シンポジウム等発表
*国内
①兼重努 2012「多民族国家における地域主義と民族主義―中華人民共和国・トン族の事例から―」日本文化人類学会第46回研究大会 2012年6月23~24日、於:広島大学
②黄 蘊 2012「マレーシアにおける上座仏教展開のローカル化の様相」東南アジア学会第87回研究大会 京都文教大学2012.6.2
③黄 蘊 2013 「『東南アジアの華人教団と扶鸞信仰―徳教の拡大とネットワーク化―』(2011年、風響社)とその後」東南アジア学会関西例会/「東南アジアの社会と文化研究会」京都大学2013.1.25
④黄 蘊 2013「マレーシアにおける上座仏教の展開と「仏教公共圏」―スピリチュアリ ティに基づく親密性から公共性へ―」日本マレーシア学会関西地区研究会、大阪市立大学2013.3.2
⑤小島敬裕 2013「中国雲南省徳宏州における仏教徒社会のマッピング」国際ワークショップ大陸部東南アジア上座仏教徒における実践の時空間マッピング(2013年2月27日 於:チュラロンコーン大学社会調査研究所)
⑥小島敬裕 2012「ミャンマーの社会と文化」関西社会人大学院連合情報交換会(2012年10月25日 於:キャンパスポート大阪)
⑦小島敬裕 2012「ミャンマーの言語と宗教―中国とインドのはざまで」ゴールデン・エイジ・アカデミー(2012年6月29日 於:京都アスニ―)
⑧小島敬裕 2012「中国雲南省徳宏州における仏教実践の断絶と再構築」日本文化人類学会第46回研究大会(2012年6月23日 於:広島大学)
⑨小島敬裕 2012「ミャンマーの上座仏教と社会」第2回ミャンマー法制勉強会(2012年6月12日 於:法務省法務総合研究所国際協力部)
⑩小島敬裕 2012「ミャンマーの現状と課題」ミャンマー勉強会(2012年4月11日 於:法務省法務総合研究所国際協力部)
⑪小西賢吾 2012「宗教の再構築における指導者と地域社会再編の関係―中国四川省のチベット社会におけるボン教を事例に」日本文化人類学会第46回研究大会分科会「社会主義をへた宗教の再構築―地域社会の分断/再編と越境からのアプローチ」、広島大学、2012年6月(査読あり)。
⑫小林知 2012「森にセイマーを見いだす:『浄域』にみるカンボジア仏教再生の動態」、第87回 東南アジア学会研究大会、京都文教大学、2012年6月2日
⑬藤本晃 2013「妙好人は預流果に悟っていたか」日本仏教心理学会第4回学術大会(龍谷大学、2012年12月)。
*国際
①Hasegawa Kiyoshi 2013“Mapping Practices of Theravadin of in Xishuang Banna,Yunnan, China”,International Workshop on Mapping Practices among Theravadin of Southeast Asia in Time and Space, held at Chulalongkorn University Social Research Institute, Bangkok, Thailand, 26-28 February, 2013.
②Hayashi Yukio 2013 “What the Mapping Tells Us and Contributes to Southeast Asian Studies?”, International Workshop on Mapping Practices among Theravadin of Southeast Asia in Time and Space, held at Chulalongkorn University Social Research Institute, Bangkok, Thailand, 26-28 February, 2013.
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/event/?p=145
http://ss1.sd-mobile.jp/cias/event/files/2013/145-BKWS-presen.pdf
③Hayashi Yukio 2013 “Some Observations from Khong Chiam Focusing on Thi Phaksong”,International Workshop on Mapping Practices among Theravadin of Southeast Asia in Time and Space, held at Chulalongkorn University Social Research Institute, Bangkok, Thailand, 26-28 February, 2013.
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/event/?p=145
④Kataoka Tatsuki 2013“Theodicy of Inter-ethnic Relations: Christianity among the Lahu along the Yunnan-Southeast Asian Peripheries.” Paper Presented at the 2013 Annual Conference of the Association for Asian Studies (at Manchester Grand Hyatt, San Diego)
⑤Kataoka Tatsuki 2013 “Command on the Forests: International Relations of Southeast Asia as Viewed from the Highlands.” in Trans-national Southeast Asia: Paradigms, Histories, Vectors. Proceedings of the Kyoto-Cornell Joint International Workshop, Jan. 11-12, Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University.
⑥Kobayashi Satoru 2012 “Profile Analysis of Religious Figures in Rural Buddhist Temples: A Case Study in Kampong Thum Province”, Imaging Cambodia: Cambodia Studies Conference, Northern Illinois University, 15 Sep. 2012.
⑦Kobayashi Satoru 2013 “Khmer Buddhist in Time and Space: Integration Field Research and Documentary Research”, International Workshop on Mapping Practices among Theravadin of Southeast Asia in Time and Space, held at Chulalongkorn University Social Research Institute, Bangkok, Thailand, 26-28 February, 2013.
⑧Kojima Takahiro 2012 Change and Continuity of Tai Buddhist Practices On the China ?Myanmar Border: A Case from Dehong Prefecture, Yunnan,111th American Anthropological Association Annual Meeting(San Francisco Hilton Union Square)17 Nov.2012
⑨Kojima Takahiro 2013 Cross-boundary Dynamics and Local Buddhist Practices on the China-Myanmar Border: A Case of T?i Dehong, Yunnan.Asian CORE Workshop on Interface, Negotiation, and Interaction in Southeast Asia(Inamori Foundation Memorial Building, Kyoto University)23Feb.2013
⑩Konishi Kengo 2012 ” Between “Indigenous religion” and “Religious minorities” Bonpos’Attempts for the Continuation of “Tradition” in Contemporary China”, 3rd International Seminar of Young Tibetologists. 神戸市外国語大学(神戸市)Sep.2012。査読あり。
(4)その他
*雑誌記事
①小島敬裕 2012「ミャンマーの人々の暮らしに根ざす仏教」『Cruise Traveller』3:43.
②林行夫 2013「パネルディスカッション―アジア仏教の現在Ⅲ(コメント)」『アジア仏教の現在Ⅲ―2012年度第1回国内シンポジウムプロシーディングス』(平成24年10月27日於龍谷大学大宮学舎/共催:パーリ学仏教文化学会)、龍谷大学アジア仏教文化研究センター(BARC)、75-78頁
③渡邊欣雄・水口拓寿・兼重努ほか 2012 「ディスカッション」(特集 民俗知としての風水;学際シンポジウム 風水思想と東アジア 中国 風水と抱護(沖縄と韓国)) Arena (14), 130-146頁
*事典・教科書項目
①飯國有佳子 2013「Lesson 10. ミャンマーの娯楽:娯楽としての祭り」『東南アジアがわかる教科書 ミャンマー編』、アイ・イーシー、pp.24-25
②飯國有佳子 2013「Lesson 11. ミャンマーの食文化:多様性に富む奥深い食文化」『東南アジアがわかる教科書 ミャンマー編』、アイ・イーシー、pp.26-27
③飯國有佳子 2013「Lesson 12. ミャンマーの人とのつきあい方:親しさと慎みにあふれる人々」『東南アジアがわかる教科書 ミャンマー編』、アイ・イーシー、pp.28-29
④藤本晃 2012 「三明六通」、井上ウィマラ・葛西賢太・加藤博己編『仏教心理学キーワード事典』、春秋社、82-83頁。
⑤藤本晃 2012 「懺悔」、井上ウィマラ・葛西賢太・加藤博己編『仏教心理学キーワード事典』、春秋社、148頁。
⑥藤本晃 2012 「回向」、井上ウィマラ・葛西賢太・加藤博己編『仏教心理学キーワード事典』、春秋社、149頁。
⑦藤本晃 2012 「随喜」、井上ウィマラ・葛西賢太・加藤博己編『仏教心理学キーワード事典』、春秋社、150頁。
*書評
①黄 蘊 2012「奥村みさ著『文化資本としてのエスニシティ――シンガポールにおける文化的アイデンティティの模索』国際書院、2009年」『華僑華人研究』第9号,118-122頁。査読有
研究成果公表計画
今後の展開等:
-平成23年度-
 平成24年度は、4回の研究会の開催を予定している。
●第一回研究会(2012年6月ごろ開催予定)では、東南アジア大陸部上座仏教社会における功徳と積徳行の共通性と多様性についての事例の比較検討の試みの第二弾として、東北タイ(発表予定者は林、加藤)、カンボジア(小林)、ミャンマー(飯國)の事例を検討する。
●第二回研究会(2012年10月ごろ開催予定)と第三回研究会(2012年12月ごろ開催予定)では非上座仏教社会における功徳と積徳行に焦点をあてる。東南アジア大陸部に関しては、マレーシア(黄)、タイ王国の山地民(片岡、吉野)、東アジアに関しては、台湾(丸山)、香港(志賀)、西南中国の少数民族(兼重)が事例報告する。また中国のチベット世界の事例報告(小西)も予定している。
●第四回研究会(2013年1月ごろ開催予定)では、メンバー全員を対象にし、研究成果の最終報告を行う。あわせて功徳の観念と積徳行の理解を通じて、両地域の社会や文化の特徴をいかに浮き彫りにすることができるのかについて検討する。
-平成24年度-
 本共同研究は京大地域研の公募共同研究「『功徳』をめぐる宗教実践と社会文化動態に関する地域間比較研究―東アジア・大陸東南アジア仏教文化圏を対象として」(平成25~26年度、研究代表者:長谷川清)によって発展的に引き継がれてゆく。
平成25年度においても、東アジア・大陸東南アジアの仏教文化圏における「功徳」観念に注目し、それをめぐる実践様式のバリエーションと共通性に関する地域間比較を行う。すなわち、同地域における「功徳」をめぐる諸実践が多層的な社会空間の編制にいかに関わっているのか、社会文化動態といかなる相関性を有するのかについて、以下の観点―①「功徳」をめぐる宗教実践やそれについての人びとの「語り」(例えば、救済観や災因論との関係など)、②多層的な社会空間において諸実践を通じて生み出される〈つながり〉や〈共同性〉のかたち、③宗教施設や儀礼の装置・用具のバリエーション、④コスモロジーや死生観、諸神霊の混淆・融合・併存の状況など―から包括的な理解を試みる。
あわせて、同地域における宗教空間の位相を再考し、地域社会の編制を動態的に捉えていくための新たな座標軸の提示をめざす。