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情報・帝国・都市-英帝国とアジア植民地都市(h21)

過去の研究プロジェクト

情報・帝国・都市-英帝国とアジア植民地都市(h21)

地域研萌芽研究
代表: 脇村孝平(大阪市立大学大学院経済学研究科・教授)
共同研究員:  
期間: 平成21年6月1日~平成22年3月15日
目的:  本共同研究は、19世紀および20世紀前半の英帝国(British Empire)における植民地都市を複数取り上げて、それら相互のネットワーク的関係の究明、および比較研究を行うことを目的とする。対象地域は、南アジア、東南アジア、東アジアに限定する。想定している都市名を挙げると、ボンベイ、カルカッタ、ペナン、シンガポール、香港、上海、長崎、横浜などである(非公式帝国も含む)。具体的な研究課題として考えられるのは、それぞれの都市における空間的構造、都市インフラ、都市行政、利害集団・エスニック構成、産業、商業ネットワークなどの態様を探究すると同時に、相互の影響関係を明らかにする。本共同研究は、同時に、先行して行われた「情報と帝国-英領インドを中心にした英国議会資料における<情報選択性>の研究」の後継プロジェクトとして構想されている。したがって、英国議会資料(BPP)のWeb版を使用した歴史研究の可能性を探る目的も併せ持つ。
研究の意義:  本共同研究は、以下のような深層の研究目的を有する。すなわち、19世紀以降のアジアにおける近代化=西欧化の過程を考えるとき、植民地都市が有したモデル的な意義を考慮する必要がある。同時に、19世紀アジアにおける英帝国の東漸過程は、アジアの諸地域の近代化=都市化の進行において、先行の植民地都市における経験が、肯定的にも否定的にも大きな意味を有したものと想定される。具体的に言えば、カルカッタ・ボンベイ→シンガポール→香港・上海→長崎・横浜といった順序で、何らかの影響関係が考えられるのではなかろうか。例えば、東アジアの近代(=都市化)を考察するうえで、歴史的経験としての、先行の南アジア・東南アジアにおける英帝国・植民地都市の経験を把握することは大きな意義があると考える。
期待される成果
将来の展開
について:
 本共同研究を基盤にして、ほぼ同様の趣旨で平成22年度の科学研究費補助金の申請を行うとともに、センターの個別ユニットへの発展の可能性を探る。予定である。本研究では、主としてBPP・Web版を使用して行われるが、将来的には現地での資料調査等が必須であり、科研費の申請はそれを想定してのことである。本共同研究の構成員は、上記の各都市の研究を行いうる専門性を有する人材からなるが、個別の問題関心は、産業、商業、金融、保健衛生、エスニシティなど多様である。したがって、本共同研究では、研究会の実施を通じて、相互学習の機会としたい。また、研究の枠組みそのものを、討論の中で常に再構築するような研究会を目指したい。加えて、BPP・Web版の利用価値や利用方法に関して、試験的な実践の相互学習を通じて、より有効な利用を目指す。
研究実施計画: ・ 平成21年6月初旬に第一回の研究会を実施。構成員による個別報告。および研究会の趣旨の確認と、今年度の方向性についての討議を行う。
・ 平成21年9月下旬に第二回の研究会を実施。構成員による個別報告。および平成22年度科学研究費補助金の申請に関する打ち合わせ。
・ 平成22年1月下旬に第三回の研究会を実施。構成員による個別報告。および次年度以降の研究計画を討議。
研究成果の
公開計画:
先行の「情報と帝国」プロジェクトの成果と合わせて、数本のワーキング・ペーパーの刊行。