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島嶼地域研究からの相関型地域研究モデルの構築(h21)

過去の研究プロジェクト

島嶼地域研究からの相関型地域研究モデルの構築(h21)

地域研萌芽研究
代表: 小森宏美(京都大学地域研究統合情報センター・准教授)
共同研究員: 大西広之(日本司法支援センター滋賀地方事務所・事務局長補佐)、大西富士夫(静岡県立大学国際関係学研究科広域ヨーロッパ研究センター・客員研究員)、片岡樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・准教授)、可知直毅(首都大学東京大学院理工学研究科・教授)、長谷川秀樹(横浜国立大学教育人間科学部・准教授)、山上博信(名古屋管理職ユニオン・委員長)
期間: 平成21年6月1日~平成22年3月15日
目的:  これまで特定の島別(例えば、沖縄やコルシカなど)あるいは、ディシプリン別に行われてきた島嶼研究に、島嶼地域と国家、島嶼地域と国家上位地域などという課題設定の中で従来の研究成果を統合する視点を加えることで、人文社会系と自然科学系が特定の地域に限定せずに共同できる相関型地域研究のモデルを構築することが、本研究会の目的である。
 具体的には、次の2つを中心とする。第一に、島嶼地域の特殊性として、頻繁な国家的帰属の変遷に伴うアイデンティティの変容や、土地所有の変更とそれをめぐる法制度の変遷などが挙げられるが、多分野の研究者間での議論を通じて、相関型地域研究に展開すると考えられる論点を析出する。第二に、特に隔絶諸島においては、行政サービスの平準化などのように国民国家内での地域格差が問題になるが、他方、島嶼社会はある意味で自己完結的な社会を構成し、行政サービスなどの基準では測れない豊かさを特徴とする。とはいえその豊かさは、既存の学問領域での分析にはなじまない面を多分に有している。そうした豊かさを分析する視角を導き出すことも相関型地域研究の目的として考えられる。それには、在地研究者や地元関係者との意見・情報交換が不可欠であり(予算的に直接の人的交流は難しいが、電子メイルなどのほかに、行政回線等を利用した研究交流の実験を試みる)、なおかつ、研究対象の搾取に陥らない、現地との往還的な関係を有する研究活動を組織する。
研究の意義:  本研究の意義は、相関型地域研究の一つのモデル構築を試みることにある。相関型地域研究については、ひとまず、地域間比較や地域横断型の研究であるという定義が可能ではあるが、その場合でも、ディシプリン化された方法論を共有しない比較や通地域的研究は、実際には困難である。他方、島嶼地域を対象とした研究は、島嶼地域の有する特殊性によって、比較からの知見や経験の総合化の方法を提示する可能性を有していると考えられる。
 ここでいう島嶼地域の特殊性とは、島嶼地域が、神話としても実体としても国民国家から置き去りにされている、あるいは自由であることにある。それゆえ、ディシプリン化された研究では超えがたい国民国家という分析枠組みに対し、島嶼地域研究では、その分析枠組みを相対化する視点を提供することが期待できる。
期待される成果
将来の展開
について:
 本研究は萌芽研究として、あくまでも、島嶼研究を相関型地域研究として展開するための課題の整理と可能性の模索を目的としている。したがって、その後の展開、とりわけ、実際の研究の組織化は、地域研究統合情報センターの共同研究会の仕組みなどを利用して行っていくことが必要である。
 本研究では、法律関係者2名、人文社会系研究者4名、自然科学系研究者1名という限定的な陣容で集約的に議論を進める。したがって、そこで整理された研究課題については、より多くの研究者、行政担当者、法律関係者、現地関係者などの参加によって議論を進めていくことが望ましい。なお、この点で、研究機関に属する研究者以外との研究交流のあり方についても一つの指針を示すことが期待される。
 地域研の個別共同研究に展開できた場合には、本研究会を人的に拡大し、具体的検討課題についての研究を進め、また、整理・検討された法制度情報・文書等のデータベース化や現地研究者の研究蓄積のデータ化を行う。
研究実施計画:  平成21年度京都大学地域研究統合情報センター共同研究ワークショップ「移植される世界、交雑する地域―「21世紀の『国家』像」プロジェクト総括─」 稲盛財団記念館大会議室、2010年4月24日
研究成果の公開計画: ① ホームページ等を利用して議論を本研究会の外に開く。
② 島嶼学会の分科会や部会等に議論の場を設ける。