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2015/07/18 民族自然誌研究会第79回例会「トチノキをめぐる社会生態誌―滋賀県高島市朽木を事例に―」 共催CIAS共同研究「現代アフリカ社会における植物利用の持続可能性と地域植生の管理」

民族自然誌研究会第79回例会「トチノキをめぐる社会生態誌―滋賀県高島市朽木を事例に―」

共 催:CIAS共同研究個別ユニット「現代アフリカ社会における植物利用の持続可能性と地域植生の管理」


【企画趣旨】
トチノキは,山村を中心に古くから人びとの身近な資源として利用されてきた。近年ではトチノミを特産品づくりに積極的に活用するところも現れている。丹波高地の一角をなす滋賀県高島市朽木では20年以上前からトチ餅が道の駅などで販売されてきた。しかし,2008年~2009年にかけてトチノキの巨木が大量に伐採されるという事件が起こり,トチノキと人びととの共存のバランスが崩れつつある状況が生まれている。また,野生動物による実の食害や,過疎高齢化などに直面し,これまでの共存関係の基盤となってきた生態的,社会的条件が変わりつつある。トチノキ巨木の伐採をめぐる課題を理解するには,トチノキが生育する自然環境やその地に暮らす人びとの生活を見つめなおすことが重要である。一方で,伐採問題を契機に,生きたトチノキを活かした地域づくりに取り組む活動も活発に行なわれるようになってきており,新たな共存関係が模索され始めている。
本例会では,2011年からトチノキと人びとの関わりに着目して生態的・社会的な調査研究を進めている3名の話題提供者から,朽木のトチノキをめぐる総合的な地域誌を紹介する。その上で,コメンテーターとして井上卓哉氏をお迎えし,木地研究を事例に他地域でのトチノキと人とのつながりについてご紹介いただく。以上を通して,伐採問題を超えた,山村の地域課題の解決の糸口やトチノキとの今後のつきあい方について議論を深めたい。


【日 時】 2015年7月18日(土)13時~17時

【場 所】 京都大学楽友会館

【プログラム】
13:00~13:10: 飯田義彦(国連大学サステイナビリティ高等研究所OUIK)
           「趣旨説明」

13:10~14:00: 手代木功基(総合地球環境学研究所)
           「滋賀県朽木地域におけるトチノキ巨木林の立地環境」

14:00~14: 50: 八塚春名(日本大学)
           「トチ餅づくりを支える超地域的なトチノミ利用ネットワークの形成」

14:50~15:05: 休憩

15:05~15:55: 飯田義彦
           「生きたトチノキを活かす地域づくり活動の展開過程」

15:55~16:50: 総合討論
           コメンテーター:井上卓哉(富士市立博物館)
           司会:藤岡悠一郎(東北大学)