1. ホーム
  2. イベント一覧
  3. 第159回東南アジアの自然と農業研究会

2013/02/22 第159回東南アジアの自然と農業研究会

■□■第159回東南アジアの自然と農業研究会のご案内■□■

みなさま

東南アジアの自然と農業研究会、2月の定例会では、
東京大学ASNET機構/東洋文化研究所の卯田宗平氏に、
「野生と家畜のバランス-中国の鵜飼い漁におけるカワウと人間-」という題目
で、話題を提供いただきます。

オープンな研究会ですので自由にご参加ください。
事前登録等の手続きは必要ありません。

皆様、特に若手研究者(大学院生)の積極的なご参加をお待ちしております。

●日時・場所
2013年2月22日(金)16:00~18:00(15:30開場)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室

会場についてはこちらもご参照ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_m.htm

●話題提供者: 卯田宗平氏(東京大学ASNET機構/東洋文化研究所)
題目: 「野生と家畜のバランス-中国の鵜飼い漁におけるカワウと人間-」

【発表要旨】
中国の家畜動物というとどのような動物を想像されるだろうか。暗い小屋のなか
で近親交配を繰り返すヒツジ、便所のなかで飼育されるブタ、
飼育下でなければ生存できないカイコなど。いずれも人為的な環境下で飼育され
ている動物である。中国の鵜飼い漁で利用されるカワウ(*Phalacrocorax
carbo sinensis*)もその全生活歴が人間の管理下に置かれている。

ただ、生業としての鵜飼い漁において、カワウは生産の対象ではなく漁獲の手段
である。そのため、カワウが家畜化によってもたらされるという“従順さ”や“攻
撃性の減退”、“矮小化”といった特徴を強化されては困る。その一方、人間とカ
ワウとの親和性が確立されていなければ狭い船上でカワウを大量に飼育すること
ができないし、首結いを付けることすらできない。鵜飼い漁ではカワウに対して
一見すると矛盾する二つの要求があるといえる。こうしたなか漁師たちはカワウ
とどのような関係を築いているのであろうか。

発表者は、この問題を明らかにすることを目的に中国の鵜飼い漁の調査を行なっ
た。この発表では、鵜飼い漁師たちがもつ繁殖や育雛技術、カワウを飼い馴らす
技術、若いカワウの行動上の変化に関わる調査結果を明示しながら、カワウとい
う動物とそれを利用する人間との関係について考えてみたい。

===================================================
連絡先:大出 TEL 075(753)7839
e-mail: oide[AT]asafas.kyoto-u.ac.jp([AT]を@に変更してください。)
柳澤 TEL 075(753)7345
e-mail: masa[AT]cias.kyoto-u.ac.jp([AT]を@に変更してください。)
研究会WEBサイト http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/seana/
===================================================