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記録・記憶と社会の再生

新規プロジェクト

記録・記憶と社会の再生

代表 谷川 竜一 ・ 山本 博之
研究目的: 社会の記録としての文化や集合的記憶は、グローバル化などの変化を乗り切るための各社会内における紐帯として重要な役割を担うと同時に、新しい世代にとっては自己の社会を硬直させる足かせともなりうる。本プロジェクトではそうした矛盾を意識しながらも、文化や記憶は各社会が自立性を維持しながら、危機やめまぐるしい変化を乗り切るために不可欠なものとして捉える。具体的には、紛争、災害、社会間の対立や格差などに見舞われた社会において、有形無形の記録・記憶の収蔵庫が編み出され、活用される事例を、個別研究と協働して考察する。記録や記憶の確立(時に忘却)の手法を、レジリエンスとしての社会再生・再編に結びつける実践的な手立てとして提案する。
研究意義:  地域の記録・記憶は、例えば文書記録や伝承、歌や記念碑、博物館や映像メディアなどのように、平時の社会における歴史や文化を育んだり、あるいは社会の問題を問うたりするためのリソースとして、維持・活用が模索されている。しかし本研究では、大震災などの先鋭的な危機だけでなく、過疎化や格差社会なども危機と捉え、地域社会がそうした危機に直面した際に、積極的に対応する手段としての記録・記憶の実践的な活用方法を考察する。そして平時においてそうした記録・記憶が持つ意味や効果との比較検討も本研究は行いながら、単なる経済効果やナショナリズムなどに還元されない、長期的な社会の強靱性を広く社会と連携して検討するという、学術的かつ公共的な意義を持つ。
期待される成果: 具体的な場所を深く調査する個別研究との協働により、その地域のコンテクストに応じた危機を乗り越えるための記録・記憶の積極的な扱い方を検討し、学術的な発信を行う。それに加え、本研究ではそこにとどまるのではなく、実際の地域社会における実践活動として記録・記憶の手法を導き出すことで、現代社会にコミットし、その再生や再編に向けた一定のインパクトを生み出す足場となることが期待できる。
その他: 本テーマは、地域研究コンソーシアム(JCAS)と共同で公募・実施しています。