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「地域の知」の情報学―時間・空間・語彙に注目した地域情報学の展開―

新規プロジェクト

「地域の知」の情報学―時間・空間・語彙に注目した地域情報学の展開―

代表 原 正一郎
研究目的: 「地域の知」に関する情報学的な手法の開発を試みる。そのため、これまでの時空間属性に加え、語彙の構造に注目した地域情報学の構築を目指す。複合研究ユニットとして,以下の2点に主眼を置く.
①これまでの地域情報学の研究成果を地域研究へ展開する.複合および個別研究ユニットから幾つかのテーマ(例えばフィールドノートや記述疫学)を選び,地域研究情報基盤を構成するMyデータベース・REST形式API・共有化メカズム・時空間情報処理ツール等を駆使したデータ収集・組織化・計量化・可視化・分析等を主体とした,情報学パラダイムに基づく地域研究を推進する.
②個別研究プロジェクトとのコラボレーションにより,これまでの地域情報学では未着手であったテキストデータの処理と曖昧な時空間表現に関する研究に着手する.テキストデータには5W1Hに関する多様な記述が含まれているが,これらを識別するマークアップ(あるいは準ずる記述)と構造化(意味的な関連づけ)を施さなければ,コンピュータによる処理は困難である.また識別できたとしても「頃」や「辺り」など曖昧な表現のままでは利用できない。これらをどのように処理したら良いか、語彙および時空間の視点から実証的に研究を進める。。
研究意義: 本研究では「地域の知」を地域に関するデータのネットワークと捉える。その場合、基礎データのデジタル化→共有化→構造化→分析→可視化といった一連の情報処理が必要であると想定される。既にMyデータベース、REST形式API、共有化メカズム、時空間情報処理ツール、時空間辞書、Topic Maps等の開発が先行しており、研究のための情報基盤は準備されている。そこで複合および個別研究ユニットさらに他研究プロジェクト等とのコラボレーションにより、地域研究情報基盤を駆使して、「地域の知」に関する情報学的な手法の確立を試みる。この過程を通じ、ともすれば技術先行的な地域情報学を、地域研究の一領域として位置づけることを試みる。同時に、これまで未着手であった語彙に関するデータベース化と利用・分析に関する手法の開発も試みる。
情報学の視点から地域を理解するアプローチは、地域を総合的に捉えようとする相関型地域研究に大きく寄与する。同時に、地域研究では当たり前の時間・空間・ヒト・事象等に注目した研究手法は、数値処理が主体のGIS等の空間情報科学に対して、大きなインパクトを与えるものと期待される。
期待される成果: 本研究では「地域の知」をキーワードとして、ともすれば技術先行的な地域情報学を、地域研究の一領域として位置づけることを試みる。具体的には以下の成果が期待される。
(ア) 地域情報学的分析手法の確立:Myデータベース、REST形式API、共有化メカズム、時空間情報処理ツール、時空間辞書、Topic Maps等の地域研究情報基盤を活用し、基礎データのデジタル化→共有化→構造化→分析→可視化にいたる一連の情報処理手法を確立する。必要に応じて地域研究情報基盤の機能拡張を試みる。
(イ) 「地域の知」の体系化:「地域の知」を地域に関するデータのネットワークと捉え、そのモデル構築と可視化を試みる。
(ウ) ツール群の公開:地域研究情報基盤の各機能をより洗練されたものとし、地域研究のための道具として公開し利活用の推進を図る。