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「災害対応の地域研究」プロジェクト

災害は、平常時から切り離された特別な時間・空間ではなく、その社会が平常時に抱える潜在的な課題が極端な形であらわれている状態です。したがって、災害からの復興とは、被災前の状態に戻すことではなく、被災を契機に明らかになった社会の課題に働きかけ、よりよい社会をつくることです。そのような創造的復興を可能にするためには、災害による被害を物理的に抑え込みさえすればよいと考えるのではなく、災害が発生したときに社会が柔軟に対応するという社会の強靭性を高めることが大切です。また、被災社会が被災前にどのような状況にあり、どのような課題を抱えていたかを知る必要があります。「災害対応の地域研究」の意義はここにあります。

自然災害が起こると国境を越えて人道支援を行うことが一般的となった今日、災害対応の現場では地域の事情に根差した防災や復興が求められており、地域研究の知見はますます重要となっています。他方で、従来の地域研究は、特定地域の固有性を解明することに重きを置くあまり、その知見を地域や時代を越えて他の専門家に利用可能な形で発表することにあまり力を注いできませんでした。「災害対応の地域研究」では、災害対応の現場での防災・人道支援の実務者との連携や、近年進展が著しい情報技術の利用などにより、異業種・異分野の専門家に開かれた「地域の知」をめざします。

本センターでは、共同研究や出版などの活動やセンター教員の研究活動など、さまざまな形で災害対応の地域研究のあり方を考え、実践してきました。2011年度よりこれらの活動を統合して本センターの「災害対応の地域研究」プロジェクトとして実施しています。

このページはプロジェクトの活動内容の概要を一覧にしたものです。プロジェクトの詳細は「災害対応の地域研究」プロジェクトをご覧ください。

出版

叢書シリーズ

[2013]地域研叢書「災害対応の地域研究」シリーズ刊行
本センターの叢書シリーズとして京都大学学術出版会より刊行される「災害対応の地域研究」(全5巻)の刊行が開始されました。第1期刊行では、第1巻(山本博之著『復興の文化空間学――ビッグデータと人道支援の時代』)および第2巻(西芳実著『災害復興で内戦を乗り越える――スマトラ島沖地震・津波とアチェ紛争』)の2冊が刊行されました。
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>プロダクト>出版物

学術雑誌

[2010]『地域研究』(特集:災害と地域研究)の刊行
2011年3月、学術雑誌『地域研究』の「災害と地域研究」総特集号(第11巻第2号)が刊行されました。
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/publish/4
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>プロダクト>出版物

研究集会

災害時の連携プラットフォーム

東南アジアを中心に、国外での自然災害の発生に際して、防災・人道支援の実務者と被災地域社会の専門家である地域研究者の情報共有・意見交換を目的とした研究集会を開催しています。

[2014]フィリピン台風被害に関する学会パネル
2013年11月にフィリピンを襲った台風について、2014年6月4日に東南アジア学会第91回研究大会でパネル企画「2013年フィリピン台風災害に見る公共性の越境と再編」を企画・実施しました。
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>事例別index>フィリピン台風

[2013]フィリピン台風被害に関する緊急研究集会
2013年11月にフィリピンを襲った台風について、2013年12月4日に緊急研究集会「台風ヨランダはフィリピン社会をどう変えるか―地域に根ざした支援と復興の可能性を探る」を開催し、防災、人道支援、歴史、政治、社会などの観点から検討しました。
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>事例別index>フィリピン台風

[2012]タイ洪水に関する研究集会
2011年後半にタイ国バンコク周辺地域で大きな被害を出したタイ洪水について、2012年5月12日にワークショップ「タイ洪水が映すタイ社会―災害対応から考える社会のかたち」を開催し、水文学、社会、政治経済の観点から検討しました。
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>事例別index>タイ洪水

[2009]西スマトラ地震に関する研究集会
2009年9月にインドネシアで西スマトラ地震(パダン地震)が発生したことを受け、東南アジア学会などとの連携のもと、緊急研究集会(2009年11月25日)および学会パネル(2010年6月6日)を開催し、防災・人道支援の実務者と地域研究者が共通の課題について議論する場を提供しました。研究集会と学会パネルの内容はそれぞれ報告書として刊行しました。
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>事例別index>西スマトラ地震

東南アジアの災害と社会

[2011]月例セミナー「東南アジアの災害と社会」
東南アジア学会関西例会との共催で、東南アジアにおける災害と社会についての一般公開の月例セミナーを開催し、災害に関心を持つ東南アジア研究者や防災・人道支援に携わる実務者の交流の場を提供しました。
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>研究会の記録>2011年度

データベース/アプリ

実践的活用のためのデータベース構築

本センター地域情報プロジェクトの災害データベース班では、インドネシアを事例に、災害発生時に現地語メディアや現地調査で得られた調査メモや画像などを1枚の地図上で表現し、インターネット上で公開することで被害と救援の概況が一目で把握できるシステムを構築・公開しています。また、2004年スマトラ島沖地震・津波(インド洋津波)の最大の被災地となったインドネシア・アチェ州については、被災後も継続的に情報を蓄積し、被災後の社会の情勢を長期的に把握するとともに、ツーリズムや社会問題の早期発見などに利用するためのシステムも開発しています。
※地域情報学プロジェクト 災害関係データベースhttp://www.cias.kyoto-u.ac.jp/database/category/40

[2011]災害と社会 情報マッピングシステム
現地語のオンライン情報を定期的に自動収集して、テキストを解析して分野と地名を判別し、インターネット上の地図上で表現したもの。災害発生時に被災と救援の状況を視覚的に把握できる。現在はインドネシアのアチェ州と西スマトラ州で運用。
http://disaster.net.cias.kyoto-u.ac.jp/Indonesia/
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>プロダクト>データベース

スマホアプリ

ウェブ上のデータベース構築に加え、スマトラの大津波の被災と復興の10年を記録したデジタルアーカイブを防災教育や津波ツーリズムに利用できるスマートフォン・アプリでも公開しています。日本での事前学習、被災地での実地学習、日本と現地(インドネシア)を結ぶ防災コミュニティづくりへの活用が期待されます。

3つのアプリの概要は「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>プロダクト>スマホアプリをご覧ください。入手方法や使い方はアプリごとの「詳細情報」のページをご覧ください。

[2014]アチェ津波モバイル博物館システム
2004年スマトラ島沖地震・津波の被災と復興の10年にわたる景観の経年変化を示す画像資料を収蔵。AR(拡張現実)機能により、位置情報をもとに、現在地周辺の過去の景観を現在の街並みと重ねて見ることができる。モバイル端末を使って町全体をオープン博物館にする取り組み。(2014年12月24日公開)
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>プロダクト>アチェ津波モバイル博物館

[2014]アチェ津波アーカイブ
2004年のスマトラ島沖地震・津波を生き延びた被災者の証言をデジタル地球儀上で表現(日本語・インドネシア語)。津波遡上高や被災直後の写真記録などとあわせて閲覧でき、空間的な広がりを体感しながら被災の概況と被災体験を知ることができる。首都大学東京の渡邉英徳研究室との共同開発。(2014年12月26日公開予定)
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>プロダクト>アチェ津波アーカイブ
※ウェブ版 http://aceh.mapping.jp/

[2014]アチェ津波被災地メモハン(メモリーハンティング)
カメラのファインダー上に過去の風景画像を半透明で重ねることで、過去の画像と同じ構図で現在の風景を撮影し、その画像を他のモバイル端末と共有できるアプリ。被災と復興による町の景観の変化を記録できるだけでなく、現在の街並みに至る歴史を共有するコミュニティづくりを助ける。国立情報学研究所・北本朝展准教授との共同開発。
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>プロダクト>アチェ津波被災地メモハン
※メモハンの解説サイト:http://dsr.nii.ac.jp/memory-hunting/

国際研究協力/現地社会還元

京都・アチェ 災害と社会ワークショップ

インドネシア・アチェ州シアクアラ大学津波防災研究センター(TDMRC)と本センターの学術交流協定に基づいて、両センターの合同で行われている災害と社会に関するワークショップです。

[2014]第9回「スマートフォンを利用した防災教育・災害ツーリズム」
2014年11月17日、「スマートフォンを利用した防災教育・災害ツーリズム」(インドネシア・アチェ州シアクアラ大学)
日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)でインドネシア共和国アチェ州から6名を招聘するにあたり、招聘希望学生を対象にした事前研修会を行いました。

[2013]第8回「映像制作を通じた災害後社会の復興」
2014年1月27日、映像を通じた復興の記録づくりに取り組んでいる若手の映像作家らを招き、被災から10年目を迎えようとしているアチェで映像制作にどのような期待が寄せられているか、また、そこでの課題について考えました。「映像制作を通じた災害後社会の復興」(京都大学稲盛財団記念館)

[2013]第7回「医療を通じた災害に強い社会づくり」
2013年12月27日、インドネシア医師連合会スマトラ支部と共催で、医療関係者を対象にしたワークショップ「医療を通じた災害に強い社会づくり」を開催しました。(インドネシア・アチェ州エルメスパレスホテル)

[2013]第6回「災害対応と記録・記憶」
2013年12月11日、「災害対応と記録・記憶」(京都大学百周年時計台記念館)

[2013]第5回「災害後社会の復興における記憶と記録」
2013年9月18日、「災害後社会の復興における記憶と記録――コミュニティを結び育てる場としてのミュージアム」(京都大学地域研究統合情報センター)

[2013]第4回「情報遺産を活用した災害後社会の創造的復興」
2013年8月27~28日、「情報遺産を活用した災害後社会の創造的復興――津波モバイル博物館と科学的知見にもとづく津波との共生」をテーマに、アチェ州バンダアチェ市政府の各部局(地域開発局、災害対策局、保健局、軍・警察)ならびにシアクアラ大学大学院防災学専攻の大学院生を対象にしたセミナーを実施し、災害情報を地図上にマッピングする方法や津波モバイル博物館を防災教育に活用する方法を紹介しました。(インドネシア・アチェ州シアクアラ大学津波防災研究センター)

[2012]第3回"Strengthening Community Toward Resilience of Generation in Aceh"
「世代を越えて強くしなやかな社会づくり」をテーマに、被災から8年目を迎えたアチェ州で、防災の観点からだけでなく、医療、観光、コミュニティ開発、地域情報資源の活用といった幅広い観点から、中長期的な復興について考えました。“Strengthening Community Toward Resilience of Generation in Aceh”(インドネシア・アチェ州シアクアラ大学、アチェ州知事公邸)

[2012]第2回「災害後社会の情報管理」
2012年7月2日、TDMRCから3人の報告者を迎え、京都で「災害後社会の情報管理」をテーマにワークショップを行いました。「災害後社会の情報管理」(京都大学稲盛財団記念館)

[2011]第1回「災害遺産と創造的復興―地域情報学の知見を活用して」
2011年12月21~26日にバンダアチェ市で行ったワークショップ「災害遺産と創造的復興―地域情報学の知見を活用して」により、本センターがTDMRCと共同開発した災害地域情報マッピング・システムを提示し、津波ツーリズムや社会問題アラートなどへの適用を検討しました。あわせて本センターとTDMRCが学術交流協定を結び、「京都・アチェ 災害と社会ワークショップ」の継続的な実施などの研究交流を進めることになりました。「災害遺産と創造的復興―地域情報学の知見を活用して」(インドネシア・アチェ州シアクアラ大学、津波防災研究センター、アチェ州津波博物館)
※詳細情報 「災害対応の地域研究」プロジ ェクト>研究会の記録>2012年度

京都大学東南アジアフォーラム

[2009]第5回京都大学東南アジアフォーラム
2010年1月7日、山本博之、招待講演(於インドネシア・バンドン)

テレビ・ラジオ出演

[2011]ラジオ:Djati FM
「Dialog Pagi Seputar Kebencanaan」(2011年12月22日、林行夫、山本博之、西芳実)

[2011]テレビ:TVRI
「Iptektalk」(2011年9月19日、山本博之、西芳実)

[2011]ラジオ:Djati FM
「Dialog Pagi Seputar Kebencanaan」(2011年8月18日、山本博之、西芳実)

社会連携・社会還元

高校への出張講義

[2014]スーパーグローバルハイスクールへの授業協力
2014年7月19日、文部科学省からスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定(2014~2018年度)を受けた大阪府立北野高等学校の企画によるセミナー「災害・防災から見た東南アジア」に本センターの西芳実准教授が参加し、同校の高校生に対して「災害対応の国際協力を考える―2004年スマトラ島沖地震・津波被災地の現場から」と題した講演を行いました。
http://www.jcas.jp/jcas_image/s_ajcasnl17.pdf

ラジオ出演

[2013]エフエム京都
「Kyoto University Academic Talk」(2014年2月19日、山本博之)

公開セミナー・シンポジウム(京大主催)

[2014]京都大学アカデミックデイ2014
2014年9月28日、「津波被災者のメッセージを読み解け」

[2013]第35回品川セミナー「痛みと再生の諸相」
2013年4月5日、京都大学東京事務所にて第35回京都大学附置研究所・センター品川セミナーが開催され、本センターの西芳実准教授と山本博之准教授が「痛みと再生の諸相――インド洋津波から2年を迎えたスマトラの経験を振り返る」と題して講演を行いました。

[2011]京大附置研・センターシンポジウム「京都からの提言―21世紀の日本を考える」
2011年7月3日、第6回京都大学附置研究所・センターシンポジウムが京都大学百周年時計台記念館にて行われ、約250名の参加がありました。本シンポジウムは、当初3月に札幌にて開催の予定でしたが、東日本大震災の影響から会場と時期を変更して行われました。シンポジウムは「混迷の時代に光を探る」をテーマとし、本センターからは山本博之准教授がパネリストとして参加し、「ポスト・インド洋津波の時代におけるbosai(防災)」について報告しました。
http://www.kuic.jp/top_kaisai.html

大学への出張講義

[2010-2011]東京大学での出張講義
地域研究コンソーシアム(JCAS)の共同企画講義プログラムでは、所属機関の枠を超えて特定テーマに関する講師陣を集め、要請のある大学に派遣して出張講義を行っています。本センターの教員が中心になって災害と社会に関する講師陣を組織し、東京大学の講義「地域文化研究から見る災害と復興支援」(2010年度)および「〈カタストロフィ〉を生きる―地域文化研究から見る災いの経験」(2011年度)の開講に協力しました。
http://www.jcas.jp/jcas_image/jcas_news_10.pdf

人道支援への同行調査

[2009]西スマトラ地震に関する人道支援活動のモニタリング事業
これまで人道支援活動では目に見えるものや数で数えられるものが実績として評価される傾向がありましたが、現地社会にどのような影響や貢献を与えたのかをはかるには、その社会の社会的文化的背景をふまえて評価する必要があります。地域研究者が人道支援活動のモニタリングを行うことで、地域の文脈に即した人道支援活動の評価が可能になり、さらに将来の人道支援活動を改善する手がかりを得ることも期待されます。2009年9月に発生した西スマトラ地震の被災地で活動を行った人道支援団体に対するジャパン・プラットフォームのモニタリング事業に、その地域を専門とする地域研究者である本センター教員が参加し、地域研究の観点から評価と助言を与えました。
http://www.jcas.jp/jcas_image/jcas_news_10.pdf

[2007]スマトラ島南西部沖地震の発生時の人道支援団体の初動調査への同行
海外で自然災害が発生すると、日本からも緊急支援や復興支援が行われますが、現地社会の事情を知らないと適切な支援の妨げになることがあります。地域研究者が人道支援の初動調査に同行することで、被災地の状況を迅速に把握し、適切な支援事業を組み立てる助けになることが期待されます。2007年9月に発生したスマトラ島南西部沖地震の際には、同地域を専門とする地域研究者である本センター教員がジャパン・プラットフォームの初動調査に同行し、地域研究の立場から助言を与えました。
http://www.jcas.jp/jcas_image/jcas_news_06.pdf

研究者ネットワーク

公募共同研究

[2013-2014]共同研究「災害対応の地域研究」
本センターでは共同利用・共同研究の枠組により公募による共同研究を実施しています。2013年度には「災害対応の地域研究」プロジェクトを新設し、「災害・紛争と復興」および「記録・記憶と社会の再生」の2つのテーマについて共同研究ユニットを公募しました。
「災害・紛争と復興」では、
・「社会紛争の総合分析に基づく解決・予防の研究─ラテンアメリカの事例から」(研究代表者:村上勇介)
・「「小さな災害」アプローチによる紛争・災害に強い社会づくり――災害地域情報マッピングシステムを活用した社会問題の早期発見・早期対応」(研究代表者:西芳実)
「記録・記憶と社会の再生」では、
・「建築を通したポピュラー文化の記憶の場の構築力の解明」(研究代表者:山中千恵)
・「災厄からの再生のための記録と記憶の〈場〉――災害・紛争後の記憶をつなぐ実践・支援とその可能性」(研究代表者:寺田匡宏)
の共同研究ユニットを採択し、共同研究を進めています。

[2012]共同研究「紛争・災害後社会のメディアと記憶」
本センターでは共同利用・共同研究の枠組により公募による共同研究を実施しています。2012年度には公募共同研究ユニットの1つとして「紛争・災害後社会のメディアと記憶」を実施し、社会全体に大きな影響を及ぼした災厄が紛争終結後や復興過程の社会の中でどのように記録され、また記憶されるのかを分析する研究の基礎的な枠組をつくるとともに、人文社会系の地域研究者が自身の専門性を活用して紛争後社会や被災後社会の復興過程にコミットする方法について検討しました。(研究代表者:西芳実)
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/project/kyodo2012-61.html

[2010-2011]共同研究「災害対応と情報―人道支援・防災研究・地域研究の連携を求めて」
本センターでは共同利用・共同研究の枠組により公募による共同研究を実施しています。2010年度~2011年度には、公募共同研究ユニットの1つとして「災害対応と情報―人道支援・防災研究・地域研究の連携を求めて」を実施し、災害発生時の情報共有や、復興支援、防災分野への地域情報の活用について、人道支援、防災研究、地域研究の各分野の専門家が集まって検討しました。(研究代表者:西芳実)
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/project/kyodo2010-71.html

JCASを通じた研究連携

[2013]公募共同研究「東日本大震災の被害と復興に関する研究課題」
地域研究コンソーシアム(JCAS)との連携により、東日本大震災の被害と復興に関する研究課題の共同研究を公募により実施しました。

[2011-2012]公募共同研究「東日本大震災の被害と復興に関する研究課題」
地域研究コンソーシアム(JCAS)との連携により、東日本大震災の被害と復興に関する研究課題の共同研究を公募し、「3・11被災後のディアスポラ・コミュニティにおけるコミュニケーションの総合的研究」(代表:中島成久・法政大学教授)を採択しました。
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/project/kyodo2011-81.html

[2011]シンポジウム「『情報災害』からの復興―地域の専門家は震災にどう対応するか」
地域研究コンソーシアム(JCAS)の社会連携部会では、災害対応などのさまざまな場面で地域研究者と実務者を結んだ地域研究の社会還元のあり方を検討しています。2011年11月5日、大阪大学にて開催されたJCAS年次集会では、一般公開シンポジウム「『情報災害』からの復興―地域の専門家は震災にどう対応するか」を開催し、社会連携部会に参加する本センター教員が企画・運営に中心的な役割を果たしました。シンポジウムの内容は報告書『「情報災害」からの復興―地域の専門家は震災にどう対応するか』としてJCASおよび本センターから刊行されました。
http://www.jcas.jp/about/nenji2011.html

外部資金による研究

科研費プロジェクト

[2014-2017]基盤(B)「インドネシアの災害後社会における生活再建と女性」
(研究代表者:西芳実)

[2011-2014]基盤(A)「災害対応の地域研究の創出―『防災スマトラ・モデル』の構築とその実践的活用」
「メディアと情報」「支援と復興」「社会の再編」「記憶と忘却」の4つのテーマのもと、災害対応の地域研究を進めています。インドネシア(スマトラ)社会が主な研究対象ですが、東日本大震災の復興のあり方についても検討しています。(研究代表者:山本博之)
http://personal.cseas.kyoto-u.ac.jp/~yama/bosai/

[2009-2010]挑戦的萌芽「災害地域情報プラットフォームの構築」
災害発生時に被災と救援に関するオンライン情報を自動収集してインターネット上の地図上で表現するシステムの開発に取り組みました。(研究代表者:山本博之)

外部資金

[2014]JST日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)
インドネシア・アチェ州のシアクアラ大学で学ぶ津波被災者を日本に招聘し、防災・減災および地域情報学についての日本の科学技術を紹介します。(申請者:西芳実)

公募共同研究

[2014-2015]京都大学東南アジア研究所共同研究
「災害対応を通じた新しい公と私の創出―フィリピン台風災害を事例として」(研究代表者:山本博之)

[2008-2009]京都大学東南アジア研究所公募研究
「アジアにおける大規模自然災害の政治経済的影響に関する基礎的研究」(研究代表者:西芳実)

課題担当

[2008-2011]JST-JICA「インドネシアにおける地震火山の総合防災策」プロジェクト
JST-JICA地球規模課題対応国際科学技術協力事業「インドネシアにおける地震火山の総合防災策」(研究代表者:佐竹健治・東京大学教授、実施期間:2008~2011年度)に、本センターをリーダ機関としてグループ4-2「地域文化に即した防災・復興概念」(課題担当者:山本博之)が置かれ、地域研究の専門性を踏まえた防災・復興のあり方を研究しました。
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/indonesia/index.html

[2006-2010]文部科学省「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業」プロジェクト
文部科学省「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業」の「人道支援に対する地域研究からの国際協力と評価―被災社会との共生を実現する復興・開発をめざして」(研究代表者:中村安秀・大阪大学教授、実施期間:2006~2010年度)では、本センターが共同実施機関の1つとなり、地域研究の専門性を踏まえた人道支援との協力連携のあり方を研究しました。
http://coexistence.hus.osaka-u.ac.jp/index.html

受賞・報道

受賞

[2012]第2回地域研究コンソーシアム賞(社会連携賞)
2012年11月、本センターがインドネシア共和国アチェ州で行った地域情報学を活用した災害対応に関する国際ワークショップ(2011年12月)の実施に対して、本センターの西芳実准教授が第2回地域研究コンソーシアム賞(社会連携賞)を受賞しました。
http://www.jcas.jp/about/awards_2012result.html

新聞報道

日本
・[2013]日本経済新聞「スマトラ沖地震津波画像を保存」(2014年1月7日、アチェ津波アーカイブ)
・[2013]日刊工業新聞「京大と首都大東京、04年のインド洋津波のデジタル記録公開」(2013年12月30日、アチェ津波アーカイブ)
・[2013]毎日新聞「首都大学生らサイト公開 津波被害と復興デジタル地図で」(2013年12月27日、アチェ津波アーカイブ)
・[2013]読売新聞(2013年12月5日、フィリピン台風災害に関する緊急研究集会)
・[2013]朝日新聞(2013年9月27日、京都=アチェ「災害と社会」国際ワークショップ)
・[2013]朝日新聞(2013年9月26日、アチェ津波モバイル博物館)
・[2013]読売新聞「痛みと再生の諸相―インド洋津波から2年を迎えたスマトラの経験を振り返る」(2013年7月2日、品川セミナー)
・[2013]読売新聞「『個人の物語』 ネット上に修復」(2013年4月29日、品川セミナー)
・[2011]読売新聞「地域に応じた復興支援」(2011年7月17日、附置研・センターシンポ)

インドネシア
・[2013]Waspada「Hiebuna Gelar Workshop Kebencanaan」(2013年8月30日、アチェ津波モバイル博物館)
・[2013]Okezone.com「BNPB Rayu 12 Universitas bangun Pusat Riset Bencana」(2013年8月29日、アチェ津波モバイル博物館)
・[2013]Serambi Indonesia「Hebat, CIAS Ciptakan Digital Tsunami Aceh」(2013年8月29日、アチェ津波モバイル博物館)
・[2013]Atjeh Post「Hibeuna gelar Workshop Aceh Tsunami Mobile Museum」(2013年8月29日、アチェ津波モバイル博物館)
・[2013]Serambi Indonesia「CIAS Buatkan Museum Digital Tsunami Aceh」(2013年8月28日、アチェ津波モバイル博物館)
・[2013]Lintas Gayo「Hibuena dan Prodi S2 Kebencanaan Unsyiha Gelar International Conference」(2013年8月28日、アチェ津波モバイル博物館)
・[2013]Aceh National Post「Hibeuna dan Prodi S2 Kebencanaan Unsyiah Laksanakan International Conference dan Workshop Aceh Tsunami Mobile Museum」(2013年8月28日、アチェ津波モバイル博物館)
・[2011]Harian Aceh「Tsunami Mobile Museum: Oleh-Oleh Jepang untuk Aceh」(2011年12月28日、国際シンポジウム「災害遺産と創造的復興」)
・[2011]Serambi Indonesia(2011年12月27日、国際シンポジウム「災害遺産と創造的復興」)
・[2011]じゃかるた新聞「震災の経験、世界に発信 アチェで7周年シンポ」(2011年12月27日、国際シンポジウム「災害遺産と創造的復興」)
・[2009]Padang Exspres「Belajar Mitigasi Gempa pada Negara Jepang: Peringatan Dini Bukanlah Kabar Pertakut」(2010年3月24日、西スマトラ地震)
・[2009]Radar Bandung「Pemerintah Indonesia Belum Paham Gempa」(2010年1月8日、第5回京大東南アジアフォーラム)
・[2009]Pilihan Rakyat「Indonesia Mesti Kejar Ketertinggalan Mitigasi」(2010年1月8日、第5回京大東南アジアフォーラム)
・[2009]Serambi Indonesia「Pakar Bencana dari Jepang Teliti Alam Aceh」(2009年8月21日、スマトラ津波被災地調査)

フィリピン
・[2014]フィリピン台風被災地調査

関連記事

京都大学生活協同組合『教職員情報』No.121(2014年1月6日号)「特集 東日本大震災を忘れない No.9」
http://www.s-coop.net/faculty/

地域研究統合情報センター『ニューズレター』第9号(2011年9月)「特集号『災害対応の地域研究』―想定外に対応する研究分野として」
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/files/pdf/publish/cias_nl_no9.pdf

(山本博之・西芳実)

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